友人の訃報

久々に晴れた朝だ。
年を取ってきたせいか、妙に朝早く目覚める。すごいいい天気だと外をパチリ。(写真)
こんな朝だと気持ちがのってくる。

米沢からは珍しく、飯豊連邦も見える。(写真)
飯豊の山々は、若き日々にすごした長井市では、母なる山であった。その山を天気がいいからとちょっとiphoneで撮った。
私は、山形県長井市立 豊田小学校、豊田中学校の出身。
合併して今はない豊田中学の校歌にも
「・・・・飯豊の山よ、ああ清き、我ら清くここに学ばん。豊田中学。」
と飯豊の山がでていた。
そんな私にやってきたのは、株式会社すずや 代表取締役社長 鈴木哲志の訃報。
(明日の新聞には、名前も出るだろうから、そのまま書かせていただいた)
小学校・中学時代の同級生だ。

小学校時代は、よく、いっしょにスキーにいった。哲志の裏山のあたりに牧草地の山があり、雪が降るとよくそこでいっしょにスキーをしていた。
小学校時代は、明らかに私より、哲志はスキーがうまかった。
雪の降る前に、哲志の家に遊びに行ったことがある。
そこには、その当時、木製の単板だったスキーに丁寧にラッカーを塗り、壊れたエッジを修理したスキーが準備されていた。
哲志が自分で整備したものだった。おれはというと、そのころ、学校の先生だった父親がスキーの整備をやってくれた。
俺は哲志から影響を受け、自分でスキーの整備をするようになった。秋、銀杏の葉が散って、雪が降ってきそうな時期がくると、「おい、スキーにラッカー塗ったか?」と、お互いの準備の状況を話したものである。
小学生で既に哲志はウエーデルン(現在のスキーのテクニックでは、パラレルターンの小回り)を簡単にこなしていた。俺は、スキーを上手になりたいという作文の中で、それがうらやましかったことを書いた。

中学になると、当然スキーもいっしょにしていたが、スキーの大会に出ることも多くなった。テクニックでは、哲志は、俺よりずっとうまかったが、道具では、恵まれた家庭に暮らしていた俺の方がいいスキーをもっていて、大会の成績もよかった。
当時の感覚では、哲志とのスキーのライバル関係は、結果だけでは、俺の勝ちだった。
哲志が奥さんに「今泉はボンボンだったからな」と話したことを聞いた。
あの当時も、哲志はそう思っていたに違いない。しかし、哲志はそんなことを一言も言わず、大会で表彰される俺に、誰よりも早く寄ってきて、おめでとうと言ってくれた。
今は言える。「哲志の方が、うまかったよ。俺よりもずっと」

哲志は、結構ませたところがあって、中学時代に、エロ本を学校に持ってきて、みんなで便所の影に見た。今で言えば、単純に女性の股間がボカされている写真をみて、みんなで、女性はなにもないものだと思っていた。
今の中学生が聞いたら、馬鹿のような、バンカラな、幼稚な中学時代だった。

中学時代は、ずいぶん哲志の家に遊びに行った。結構考え込む俺にとって、哲志のあっけらかんとした性格は、いまで言えば、完全に癒しだったような気がする。

中学を卒業し、別々の高校に行くようになると、自然と会うこともなくなってしまった。

そして、40年近くたち、私がこの会社を立ち上げてまもなく、ある会社の紹介で、株式会社 すずやにお邪魔した時である。
哲志は、私が出した名詞と顔を見ながら
「今泉、俺だ。哲志だ」
と叫んだのだ。
正直、私はすぐにわからなかった。中学時代の細く、背の高い少年は、社長になり、体型もかなり当時からみたら太っていた。
ただ、その笑い顔とあっけらかんとしたような安心感を思い出すのに、そんなに時間はかからなかった。

哲志の会社のシステムを立上、サポートを行っていたので、彼の会社は、私の会社の大事なクライアントである。
とはいえ、私は若いSEに仕事を任せて、もっぱら哲志と昔の話や、当時の仲間が今どうしているかのような話に明け暮れていた。

最後にあったのは、年末の挨拶でお邪魔した時。
「じゃーまた来年もよろしく」みたいな話をして、車で戻っている途中、哲志から携帯に電話があった。
「おい、ラ・フランスをやるから、戻って来い」
たくさんのラ・フランスをもらったが、もう一度、俺に会いたかったのだろうか?
「跳ねもんだから、痛んでいるが、味は俺が保証するぞ」
哲志が一個一個跳ねた、ラ・フランスを俺は、会社の社員といっぱいご馳走になった。

「ゴルフをやっているのか?
俺も前は、結構やっていたけど、最近は行っていない。
今度、いっしょに行こうか?」
この話はいったいどうなったのか?冷たくなった哲志を触りながら、「馬鹿やろう」と言った。酒を飲みにも行っていないし、ゴルフにも行っていない。哲志とやり残したことは多すぎる。(合掌)
 
 
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