耳ふたぎ
『耳ふたぎ』ちょっと、なまっているかなあ。「耳ふさぎ」かな?耳をふさいでしまうってことかな。
昨日、齋藤吉朗の葬儀の後、同僚が突然、「"耳ふたぎ”に行かなきゃならないぞ。」と言う。
何のことか、わからなかった。山形県の県南、置賜地方。特に、西置賜、長井市あたりでは、昔から言われていることらしい。
同僚が死んで、葬儀が終わったら、もう、こんなことが同僚からおきないように、こんな話が聞かなくていいように、『耳ふたぎ』 耳をふさいでしまうという厄払いをするのだそうだ。
同僚で、葬儀の後、故人の思い出を話して、もうこんなことが起らないように祈るんだそうだ。
そういうことならと、『耳ふたぎ』 に齋藤吉朗の生まれ故郷の赤湯に葬儀の後、やってきた。
ESTという、コーヒーもお酒も飲める店だが、そこには、仲間の彫刻家 高橋朗の彫刻が迎えてくれる。
これも、たぶん、齋藤吉朗が手伝って展示された後、ここに収められたものだろう。なんか、いろいろなことを考えた。
僕らはコーヒーを飲みながら、今日の葬儀の話をした。
「本当に、吉朗の奥さんは、しっかりとした対応をしていたね。」
「壇払いで、奥さんが言っていたぞ。吉朗が、奥さんに、" 葬式よろしくたのむ。” って言ったんだって。遺言みたいなもんだよね。」
自分のお葬式を、よろしくと奥様に言わなきゃならない齋藤吉朗。
どんな、気持ちだったんだろう。
また、涙が出てきた。
ESTの前には、「きなり」というCafeがある。
ここにも、高橋朗の彫刻が置いてある。
この作品にも、齋藤吉朗は、手を触れていただろうなあ。
『耳ふたぎ』 をしても、思い出までは、ふさぐことができない。
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