春の庭
わが家にも、春がやってきた。
亡き父が、5月25日の生まれで、そのころになると、
「俺は、本当にいい季節に生まれたなあ。」
と、毎年、庭の咲き誇った花を見ながら言っていたものだ。
そう、そんな季節がようやくやってきた。
わが家にも春がやってきたのだ。
庭のこの花はつつじだよね。
たぶん、そうだ。父が生きているうちに聞いとけばよかったなあ。
なんの花かすら、わからない。
家の南に咲く、これは、きんもくせい。
と、母が言っていたような気がする。「いい匂いがするはずだよ。」と、蓄膿症で、匂いのしない亡き母が、言ったような気がする。
でも、本当にこの木か、わからない。ちゃんと聞いておけばよかった。
錦木。これは、たぶん間違いない。子どものころから、教えられていた。
亡き、祖父が大好きな木で、長井市から、わざわざ引っ越す時に持ってきた。長井のお家の西側に植えてあった。いわば、わが家の、過去、すべてを知っている木だ。
庭の木を見ても、なんと言う木かもわからない。確かに、興味がなかったからだけど、今頃になって、父や母に聞いておけばよかったと思う。
きっと、そんなもんなんだろう。父や母がなくなってから、既に10数年。あれも聞いておけばよかった。これも聞いておけばよかった。僕も、父や母を懐かしく思う年になった。
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