昔は詩人だった

「昔は詩人だったよね。」と同級会で言われた。

ふと、その娘のことを見つめなおした。「2年3組のときに、ノートに詩を書いていたよ」って、そのころのことを話した。

「あのころは、年上の彼女がいて、おませだったからね。ちょっと、大人っぽいところもあったよ」。

へー、そんな風に見られていたんだ。

当然のことだが、今は、詩なんて書けない。いつから、詩なんて、言葉を忘れていまっているのだろう。

大学時代、中原中也の詩集を読んだ。古本屋から買ったような気がする。

東京都国立市の4畳半一間のアパートに住んでいた。

まだ、そのころは詩なんて書いていたんだろうか。

もう覚えていない。ただ、こんなビルディングの中で詩は書けないと思ったような気がする。

それとも、そのころ付き合っていた彼女の走り書きのノートをみて、その詩的な言葉に驚いて書くことをやめてしまったのか、そうだったんだろうか。それすら思い出せない。

ただ、今は当然ながら、詩を書けるような心のゆとりがない。

たぶん、学生時代の東京という化け物のおかげで、周りを見る余裕もなくなったのだろう。

大学を卒業して、山形へ戻っても同じで、いつのまにやら、ポエムなどという言葉は忘れてしまった。

もし、これが心のゆとりということなら、きっと、僕は、東京にそれを忘れてきた。

もう何十年も前の話だけど。



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